ブリジット・バルドー、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジェーン・フォンダなどの名女優たちを輝かせてきた巨匠ロジェ・ヴァディム監督が、恋愛の駆け引きを巧みに描いたラクロによる同名小説を初映画化。1960年代パリ上流社会の退廃的な官能美をスタイリッシュなモノクローム映像で描く。また、ピアノの最高峰セロニアス・モンク、爆発的な人気を誇ったアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズによるモダン・ジャズナンバーを全編に使用。劇中で演奏される大ヒット曲「危険な関係のブルース」が衝撃的なクライマックスシーンを盛り立てる。そして、図らずも本作が遺作となったフランス映画史上に燦然と輝き続ける名優ジェラール・フィリップ、ヌーヴェル・ヴァーグのミューズとして深く愛され続けたジャンヌ・モローを主演に迎え、『男と女』『愛、アムール』などで知られるジャン=ルイ・トランティニャン、伝説的作家ボリス・ヴィアンなど豪華俳優陣が競演。公開当時、本国フランスで上映禁止となり海外輸出禁止にもなった問題作が、約60年の時を経て、いよいよ4Kデジタル・リマスター版で美しく蘇る。
外交官夫妻のバルモンとジュリエットは、パリの社交界でも目立つ存在だ。しかし、実際の二人は、お互いの情事の成果を報告し合う奇妙な夫婦関係を続けていた。ジュリエットは、愛人だったアメリカ人のコートが18歳のセシルと婚約したことを知り、嫉妬心からバルモンにセシルを誘惑するよう持ちかける。セシルを追って冬のメジェーヴまで来たバルモンは、そこで貞淑な人妻マリアンヌと出会い、本気になってしまう。