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イントロダクション
山がすべてを教えてくれた
父の秘めた想いと遺志、親友との心地良い沈黙と魂の交流、そして自分の人生と居場所——
世界39言語に翻訳され、イタリア文学の最高峰・ストレーガ賞に輝いた同名の国際的ベストセラー小説が、待望の映画化。『オーバー・ザ・ブルースカイ』の監督&脚本家が共同監督し、山と対峙して己と向き合い未来を見つめる青年たちの、かけがえのない友情と魂の交流を丹念に紡ぎ出した。ルカ・マリネッリ&アレッサンドロ・ボルギ、イタリア映画界屈指の実力派俳優豪華競演。北イタリア、モンテ・ローザ山麓のアオスタ渓谷を中心に、トリノ、ヒマラヤ山脈で撮影を敢行。パルム・ドール受賞作『TITANE/チタン』の撮影監督ルーベン・インペンスによる圧倒的な映像美とカメラワークで豊かな四季の自然と友情、葛藤しながら2人がそれぞれの道を発見してゆく様を映し出す、揺さぶられるほど懐かしく切ない一大抒情詩が誕生した。
「2人の繊細な演技が素晴らしく、感動的」
「豊かで美しく、愛に溢れている」世界が絶賛!
静かに心揺さぶる、深く永い友情と人生の物語
都会育ちで繊細な少年ピエトロは、山を愛する両親と休暇を過ごしていた山麓の小さな村で、同い年で牛飼いをする、 野性味たっぷりのブルーノに出会う。まるで対照的な二人だったが、大自然の中を駆け回り、濃密な時間を過ごし、たちまち親交を深めてゆく。やがて思春期のピエトロは父親に反抗し、家族や山からも距離を置いてしまう。時は流れ、 父の悲報を受け、村に戻ったピエトロは、ブルーノと再会を果たし…
8つの山とは? (THE EIGHT MOUNTAINS)
世界の中心には最も高い山、須弥山(スメール山、しゅみせん)があり、その周りを海、そして 8 つの山に囲まれている。8つの山すべてに登った者と、須弥山に登った者、どちらがより多くのことを学んだのでしょうか。
※古代インドの世界観で、世界の中心にそびえる聖なる山。仏教、バラモン教、ジャイナ教、ヒンドゥー教にも共有されている概念。ピエトロはネパールでこの話を知り、ブルーノに伝える。
キャスト
1984年10月22日イタリア、ローマ出身。父、叔母が声優として活躍する俳優一家に生まれる。
ローマの演劇学校シルヴィオ・ダミーコ国立演劇芸術アカデミーを卒業。『素数たちの孤独』(2010)で主役に抜擢。名匠パオロ・ソレンティーノ監督の『グレート・ビューティー/追憶のローマ』(2014)での好演を経て、ベルリン国際映画祭において欧州出身の期待の若手俳優に与えられる「シューティング・スター賞」を受賞。『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』(2017)で潔癖症の悪役を怪演し、イタリアのアカデミー賞にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞助演男優賞に輝くなど、数多くの賞を受賞。また同年、ダニー・ボイルが手掛けたドラマシリーズ「TRUST/トラスト―ゲティ家のスキャンダル」に大富豪に孫の身代金を要求するマフィア役で出演し、ドナルド・サザーランドと共演。映画『マーティン・エデン』(2019)では、第76回ヴェネツィア国際映画祭で見事男優賞に輝いた。Netflix映画『オールド・ガード』(2020)では、シャーリーズ・セロンと共演。イタリア語、スペイン語、英語、フランス語、ドイツ語の5か国語を使いこなすマルチリンガル。
1986年9月19日イタリア、ローマ出身。
2005年から2007年にかけてスタントマンとして活躍し、その後テレビドラマに出演。2015年には『暗黒街』でダヴィッド・ディ・ドナテッロ助演男優賞に、また「Non essere cattivo」(2015)でルカ・マリネッリとともに同主演男優賞にノミネートされる。2017年には『ナポリ、熟れた情事』で同助演男優賞にノミネートされたほか、『ダリダ ~あまい囁き~』に出演。また同年、ベルリン国際映画祭にてシューティング・スター賞を受賞。2017年より『暗黒街』の前日譚となるNetflixテレビドラマ「Suburra -暗黒街-」に出演し、シーズン1(2017年配信)、シーズン2(2019年配信)ともに映画版と同じ役を演じている。『ザ・プレイス 運命の交差点』(2017)への出演を経て、2018年、「Sulla mia pelle」に出演し、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ主演男優賞を受賞。2019年、ローマ建国神話が題材の『ザ・グレイテスト・キング』に出演。2020年、ドラマ「DEVILS~金融の悪魔~」に主演。2022年4月より配信が始まったシーズン2でも主演を務める。
1974年6月25日、イタリア・ペルージャ生まれ。
2009年、ジュゼッペ・カポトンディ監督『時の重なる女』に出演。同年、『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』でシカゴ国際映画祭最優秀男優賞を受賞。その後マルコ・ベロッキオ監督『私の地に流れる血』(2015)に出演し、近年はNetflix映画『僕らをつなぐもの』(2022)や『ムッソリーニの財宝を狙え』(2022)に出演。
1977年10月1日、イタリア・ロンバルディア州サロンノ生まれ。
フィリッポ・ティーミと舞台でのキャリアをスタートさせ、様々な演目に出演。映画デビューは2009年のルカ・ルチーニ監督の「oggi sposi」で2012 年にはパオロ・ヴィルズィ監督の『歓びのトスカーナ』、ジュゼッペ・ピッチョーニ監督『ローマの教室で〜我らの佳き日々〜』(2012)に出演。「ぼくは怖くない」で知られる小説家ニッコロ・アンマニーティが監督で参加したテレビシリーズ「il miracolo」でよく知られている。近年ではナンニ・モレッティ監督『3つの鍵』(2021)でリッカルド・スカマルチョの妻を好演した。
スタッフ
1977年11月1日、ベルギー・フランダース、ゲント生まれ。
2000年にゲントの王立芸術アカデミー(KASK)を卒業し、映像芸術の学士を取得。クンフーというゲントの劇団で台本を書き、演出もしていた。2009年「あきれた日常(THE MISFORTUNATES)」が、カンヌ国際映画祭の監督週間でワールドプレミア上映され、国際的な注目を集めた。その後、『オーバー・ザ・ブルースカイ』(2012)が、2014年アカデミー賞® 外国語映画賞のベルギー代表に選出されノミネートを果たす。またセザール賞最優秀外国映画賞も受賞した。「ベルヒカ」(2016)は2016年サンダンス映画祭でプレミア上映され、ワールド・シネマ・ドラマ部門で監督賞を受賞。そして主演にスティーブ・カレルとティモシー・シャラメを迎えた、初めての英語作品『ビューティフル・ボーイ』(2018)を経て、本作に至る。
Filmography
- 2000年 「50CC」(短編)
- 2004年 「STEVE + SKY」
- 2007年 「Dagen zonder lief」
- 2009年 「あきれた日常」
- 2012年 『オーバー・ザ・ブルースカイ』
- 2016年 「ベルヒカ」
- 2018年 『ビューティフル・ボーイ』
- 2022年 『帰れない山』
1983年11月11日、ベルギー・フランドル出身。
アントワープのヘルマンテアリンク・インスティテュートで演劇芸術を学び、その後劇団で数多くの演劇作品に出演。2010年、テレビシリーズ「Dag & nacht」と映画「Turquaze」で主役を務める。また2012年、テレビシリーズ「Deadline 14/10」と、その続編「Deadline 25/5」(2014)で主役を演じる。『オーバー・ザ・ブルースカイ』(2012)では脚本に参加。『帰れない山』(2022)では、フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲンと共に脚本を務め、共同監督としても名を連ねている。
『オーバー・ザ・ブルー・スカイ』(2012)で撮影を務め、オーステンデ映画祭最優秀撮影賞を受賞。『RAW~少女のめざめ~』(2016)の撮影を務める。ティモシー・シャラメが出演し高い評価を受けた『ビューティフル・ボーイ』(2018)、そして第74回カンヌ国際映画祭にてパルムドールを受賞した『TITANE/チタン』(2021)では撮影監督を務めた。
本作の原作は、イタリア文学の最高峰「ストレーガ賞」、フランス「メディシス賞」外国小説部門、 「英国PEN翻訳小説賞」などを受賞し、世界39言語に翻訳された国際的ベストセラー小説「帰れない山」。(新潮クレスト・ブックスより、2018年に発売。)
1978年ミラノ生まれ。大学で数学を学ぶも中退、ミラノ市立映画学校で学び、映像制作の仕事に携わる。2004年、短篇集「成功する女子のためのマニュアル」で作家デビュー。2012年刊行の短篇集「ソフィアはいつも黒い服を着る」でイタリア文学界の最高峰ストレーガ賞の候補となる。初の本格的な長篇小説となる「帰れない山」で、ストレーガ賞と同賞ヤング部門をダブル受賞。幼い頃から父親と登山に親しみ、1年の半分をアルプス山麓で、残りをミラノで過ごしながら執筆活動に専念する。(2022年2月時点)
1983年、スウェーデン生まれのシンガーソングライター。2006年からインディーズレーベルSuperpuma Recordsを通して活動。神秘主義者、ベッドルームポップミュージシャンで、孤独や自然の中で見出した喜びを曲に織り込んでいる。ブルース、フォーク、カントリー、サイケ・ロックなど多岐にわたり、たくさんのファンを魅了している。
監督らは、遠く離れた森の中に住み、自分の山で家とスタジオを建てて音楽活動をするダニエルを「彼は、ある意味スウェーデン版ブルーノといえるかもしれません。ダニエル・ノーグレンへ依頼することが、最初で、そして唯一の選択でした。」と語る。
この映画を観た誰もが、ちょっとだけ自分の人生と重ね合わせてしまう。イタリアの山岳地帯を舞台にした映画だが、人間誰しもにあてはまる普遍的なテーマを扱っており、観終わった後には、自分の来し方をしばらく振り返ってしまった。
新しく語り継がれるであろう名作としての羽ばたきを、本作に予感せずにはいられない。
イタリアの美しい山々の映像と繊細に描かれた人間模様。
山と人生の厳しさ、美しさを感じられる作品だった。
全編をつらぬく不思議な静寂と、 それに相対する、人間、および動物たち。
饒舌でない映画の強さが流麗にじっくり語られる。
人生はよく登山に例えられるが、その意味がすべて詰まっている作品。 動く感情と動かぬ山に引き込まれた。
良い映画とは、沈黙の中で己と向き合い自問自答・語り合って居る事が出来る作品だと思う!
真にその様な映画でした。
パンデミックに襲われたこの世界にあって還るべき場所は何処。
それぞれの登場人物の心のゆらぎに、 ふとこの時代を重ねあわせ観ている自分がいる。
この尾根の向こうには何があるんだろう。僕たちは結局、どこへ行くんだろう。空が衛星だらけになり、どれほどGPS技術が発達しても、我々がそれを知ることはない。再会と別離、再建と崩壊を繰り返しながら紡がれる人々の密やかな物語を、峻厳な山々が抱きとめ、時に突き放す。掌の上のか細い灯りを凝視するような小ささと、すべての運命を乗せてたゆたう船のような雄大さが同居したこの映画に迫真性を与えている北欧のシンガーソングライターDaniel Norgrenによる劇中音楽も素晴らしい。
二人の少年の行方をスクリーン越しに追いかけているうちに、仲違いして長年会えていない友人に連絡してみたくなった。
友だちのためにできることは、ずっと友だちのままであること。そんな思いで胸がいっぱいになった。
山という大自然がもたらす豊かな恵みが心いっぱいに感じられる作品。 イタリア・アルプスの美しい情景が心に沁みた。
山の民の世界はいまだに神秘に満ちている。 水も空気も風も、山の中では平地とはまったく異なる相貌を見せ、山の民はそういう元素とともに生きている。 たどり着こうとしてたどり着けない山の民の世界。
山は奪い、傷つけながらも、 必ず、かけがえのない出会いと記憶を与え残してくれる。 山から帰る者、山に帰る者。 山が結びつけた二人の出会いと記憶が美しい。
ここまで自然を愛し人を愛し抜いたキャメラはあっただろうか。
スクリーンから漂う純度の高い空気と親友との魂の会話、これこそ人生讃歌だ
「自然」のようにシンプルに生きることが難しい私たちの多くは、重い荷物を抱えて右往左往しながら生きている。
そんな私たちを、ただやさしく迎え入れてくれるような映画です。
シンガーソングライター