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コラム

マダム・山中の「巴里[パリ]の空の下」

『パリ・ルーヴル美術館の秘密』

  セテラで配給の『パリ・ルーヴル美術館の秘密』が東京を皮切りに現在大ヒット中です。ルーヴル美術館は世界の美術館の中でも、たぶん日本人が一番知っている美術館ではないでしょうか。日本人が訪れる美術館のナンバーワンが、ルーヴル美術館だと、何かの記事で読みました。つまり日本人なのに日本の美術館に行くよりもルーヴルに行ったことがある人の方が多いということです。ルーヴルは、勿論パリに行ったことがある人しか、行くことは出来ませんが、ルーヴルに行ったことがなくても、ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』が、ある美術館と言えば、おわかりになるでしょう。そしてパリに行ったことがある人は、たぶんルーヴル美術館の前を一度ぐらいは通っていると思いますし、勿論見学した人は、とても多いと思います。その美術館の中を覗いた、そこで美術品を守るために働いている人たちの様子、美術館のまさに舞台裏を覗いてみる映画が、今回の『パリ・ルーヴル美術館の秘密』です。この映画は実は少し前、ルーヴルが大改造されてピラミッドが出来た直後に撮られた映画ですが、数百年、何千年、とさかのぼる美術品を保管している美術館の中で働く人々の作業は今も数年前もそう変わりません。それにこんなに貴重な記録を撮った映画なのに、日本では未公開だったのです。そこで今回はじめて日本の皆さんに見ていただけるのをとても嬉しく思っています。

 そしてこの映画を、さらに面白く、興味深く見ていただけるように、今回由緒ある美術雑誌「芸術新潮」が、「ルーヴル美術館の秘密」という144ページの特集を作ってくれました。この特集を作るために、去る10月の終わりに芸術新潮の編集者とカメラマンがパリに来て、私がお供して、ルーヴル美術館の大取材12日間を行いました。私は、初めての美術館との交渉と、組織が大きくて複雑なルーヴルの中での撮影許可執りやインタヴューのコーディネートという慣れない仕事を、引き受けたはいいものの、込み入った行政手続きに戸惑うばかりでした。が、何とか撮影準備の手続きすべてを終え、日本から到着する3名の「芸術新潮」の方々を10月21日の朝、迎えました。その日早朝4時に空港に到着の飛行機で来た3人は、休む間もなく朝の8時には、もうルーヴル美術館の外観を撮り始めていました!そしてこの日、9時から23時まで、いきなりノンストップで撮影、取材が行われ、その後の11日間も、同様に朝9時からのルーヴル美術館の開館と同時に、ルーヴルの中に出勤し、閉館まで、また時には夜警の撮影のために夜中にも、我々はルーヴルの中に入り、まさにルーヴルの24時間、人のいるところからいないところまで、裏の裏側まで、大ルポルタージュを行ったのです。動かない「静」の美術品を守る仕事をしている人々、学芸員から、資料係、清掃係、機械、テクニック係、設計、運搬、監視、警備、修復、消防隊と、数え切れないほどさまざまな種類の仕事をしている人々の様子はまさに「動」の人々で、ルーヴルの中に12日間入ってみて、一番感じたことは、この美術館で働いている人々のエネルギーで、その活気のある現場に、びっくりしたのです。旧態然とした眠ったような美術館でなく、ここの中では、空気が動き、ここで働いている人々がとても生き生きとしていました。それゆえに、飾られている美術品までもが、生き生きしているようにさえ見えたのです。これらは、現在発売中の「芸術新潮」1月号、そして映画を見ていただければ、感じていただけると思います。それにしても「芸術新潮」の編集とカメラマンの3人のスタッフたちは、なんと熱心によく働いたことでしょう!!!雑誌作りの鑑のような方々でした。パリに来て12日間ホテルとルーヴル美術館との往復だけで、1時間の自由時間もなく、雑誌作りのために、全精力を傾けていました。その成果が144ページで、とても実りある仕事のお手伝いが出来て、私もこの映画の配給をしたために、ルーヴルの中に入るという(社員食堂にも入った!)貴重な体験が出来たことを嬉しく思っています。この私が得た感動を、今回の映画と雑誌で皆さんにもお伝えできればと願っています。
セテラ・インターナショナル 山中陽子

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