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コラム

マダム・山中の「巴里[パリ]の空の下」

『ベルリン・フィルと子どもたち』
ドイツで公開5週目にして動員10万人を超える記録破りの大ヒット!

 12月初旬より公開予定の『ベルリン・フィルと子どもたち』は、本国ドイツで9月16日より公開になり、ドイツ映画のドキュメンタリーとしては、過去最高の大ヒットを記録しています。
ベルリン・フィルハーモニーとしては、初のドキュメンタリー映画ということで、フィルハーモニーホールロビーでは、映画『ベルリン・フィルと子どもたち』のパネル展が行われ、映画の撮影秘話や、出演者やスタッフの紹介など、映画の紹介がディスプレイされていました。
そしてTVや雑誌でこぞって映画のことが取り上げられ、同日公開のヒトラーの最後の12日間を描いたドイツの大作映画『Der Untergang』と互角に紹介されて話題を振りまいていました。私は公開日前日のプレミア上映に行きましたが、午前11時の子供や父兄を対象とした試写会には、いろいろな学校から中学生、高校生を中心に子供たちが先生や父兄に連れられて、約500人集まり、子供たちは歓声を上げて熱心に見ていました。帰りには来た子供に映画のポスターが配られ、またTV局のインタビューに顔を紅潮させて映画の興奮を伝える子供たちの笑顔が印象的でした。勿論映画に出演していたダンスプロジェクト参加者の子供もたくさん来ていて、このプロジェクトに参加したことが、どんなに素晴らしかったかと、語っていました。
夜の8時からの試写は赤いカーペットが敷かれ、メディアの取材もたくさん入った華やかなもので、来場者が多すぎて入りきらず、急遽となりの映画館もあけて2館で試写をする盛況振りでした。場内の反応は素晴らしく、笑いと感動でさわやかな涙に包まれました。映画のクレジットとともに、割れるような拍手が起こり、監督やスタッフ、出演者が壇上に上がり、最後に「サー・サイモン・ラトル!」の名前が呼ばれたときには、スタンディングオベイションとなり拍手は10分間鳴り止みませんでした。この企画を提唱したサイモン・ラトル、そして子供たちを我慢強く教え導いた振り付けの先生たち、素晴らしい演奏を聴かせてくれたベルリン・フィルハーモニー、そして何かを見つけて成長した子どもたちに対する観客の惜しみない拍手は、本当に熱い感動から自然と生まれたもので、私も胸がいっぱいになり、この映画の感動を一人でも多くの日本の皆さんに伝えたいと、心から思ったのでした。
このドキュメンタリーには、若者や子供たちに音楽や芸術と自然に触れてほしい、と願うサイモン・ラトルや振り付けの先生たちの真実の声を聞くことが出来ます。それは普段サイモン・ラトルやベルリン・フィルハーモニーのCDやコンサートだけでは知り得ないことで、クラシック音楽に日頃親しんでいる方にも、とても新鮮なベルリン・フィルの一面を見ていただけると思います。そして、クラシック音楽などに全く興味のなかった人には、この映画に出てくる250名の青少年たちと同じ気持ちで、この映画100分を身体ごと体験していただければと願っています。
このベルリン・フィルの教育プロジェクトは毎月行われていて、ダンスプロジェクトは、その中でも一番大きな年に1回のイベントとして継続されます。第1回目が、今回ドキュメンタリー映画として記録された『春の祭典』で、第2回目の今年には『ダフニスとクロエ』、来年は『火の鳥』が、ダンスプロジェクトの曲目となります。我々セテラ・インターナショナルは、サイモン・ラトルとベルリン・フィルの行っている教育プロジェクトに賛同して、この映画の配給を決めましたが、まもなく11月にコンサートのためにベルリン・フィルが来日するのを記念して、11月13日(土)に浜離宮朝日ホールにて、『ベルリン・フィル来日記念 ―― チャリティ有料試写会』を、一般公開に先駆けて行うことにしました。一般公開は東京のユーロスペースをはじめ、全国の映画館で行いますが、1回だけのチャリティ試写会はクラシックのコンサートホールで行い、その売上金や寄付金をベルリン・フィルの教育プロジェクトに寄付することにしました。一人でも多くの方に、この企画に参加していただければと願っています。
当日は来日中のベルリン・フィルのメンバーやサイモン・ラトルにも、来てもらえるかもしれません。
さて、この『ベルリン・フィルと子どもたち』は、本国ドイツでは32館というドキュメンタリーとしては大きな公開ですが、一般のアメリカ映画など数百館で公開している映画に比べると小規模な公開なのですが、大健闘してベスト20位の18位に入る、ドキュメンタリーとしては異例のヒットを驀進中です。1館当たりの入場者数の多さではベスト3に入り、見た人の口から口へと伝わる評判が評判を呼び、入場者数をどんどん伸ばして、とうとう公開5週目にして10万人を突破し、10万人目の入場者には、記念品が渡されました!ドイツでは、まだまだ上映は続くとのことですが、まもなくドイツに続いての公開が日本でも始まります。本国に続いて2番目の公開となりますが、熱い『歓喜』の波は、ドイツから日本へ伝わると信じていて、一刻も早く皆さんに見ていただきたい気持ちで、スタッフ一同この映画が皆さんに届くように願っています。
セテラ・インターナショナル 山中陽子

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