世界を魅了した情緒あふれるパリの恋物語
アパルトマンの向かいに住み、ひそかに惹かれ合っていたタクシー運転手ジャンと花売り娘のアンナ。フランス革命記念日“巴里祭”の前日7月13日、にわか雨をきっかけに心を通い合わせた。翌日に踊りに行く約束をするが、思いがけない出来事がふたりを引き裂き…。
ジャン Jean／ジョルジュ・リゴー Georges Rigaud
1905年8月11日、アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれ。’32年「Fantôma」で映画デビュー。’33年本作に出演後人気俳優となり、’36年ジャック・ド・バロンセリ監督作『地中海』、翌年マルセル・レルビエ監督作『火の夜』などのフランス映画で活躍。その他の出演作に、アラン・ドロン主演、クリスチャン＝ジャック監督作『黒いチューリップ』（63）、ジャック・ドレー監督作『黄金に賭ける男』（66）、ドゥッチオ・テッサリ監督『荒野の大活劇』（69）、ルチオ・フルチ監督作「幻想殺人」（71）など。
アンナ Anna／アナベラ Annabella
1909年7月14日のフランス革命記念日、ヴァル＝ドゥ＝マルヌ県ラ・ヴァレンス・サン・イレールに生まれる。’27年アベル・ガンス監督作『ナポレオン』に出演すると瞬く間に人気女優となる。’36年にマルセル・レルビエ監督作『戦ひの前夜』でヴェネチア国際映画祭の主演女優賞を獲得。’38年に渡米、20世紀フォックス社と契約。『スエズ』の撮影中に恋に落ちたタイロン・パワーと、’39年4月に再婚。トップスターとの結婚に怒ったプロデューサーの妨害を受けるが、ラジオや舞台出演を続けた。その他の出演作に、ルネ・クレール監督作『ル・ミリオン』（31）、ヘンリー・フォンダ主演のイギリス映画『暁の翼』（37）、マルセル・カルネ監督作『北ホテル』（38）など。
タクシー運転手レーモン Raymond／レーモン・コルディ Raymond Cordy
1898年12月9日、フランス、ヴァル＝ドゥ＝マルヌ県ヴィトリ＝シュル＝セーヌ生まれ。30年代にエピネイ撮影所の専属俳優となり、ジャン・グレミヨン監督作『父帰らず』で映画デビューを果たす。’31年の『ル・ミリオン』を皮切りに、ルネ・クレール監督作品の常連となる。その他の出演作に、ルネ・クレール監督作『自由を我等に』（31）、『最後の億萬長者』（34）、『沈黙は金』（47）、『悪魔の美しさ』（49）、『夜の騎士道』（55）、ジャック・フェデー監督作『ミモザ館』（34）など。
イマック氏 Monsieur Imaque／ポール・オリヴィエ Paul Olivier
1876年2月10日、マルセイユ生まれ。’25年の『ムーラン・ルージュの幽霊』からルネ・クレール監督作の常連となり、「空想の旅」（25）、「イタリア麦藁帽子」（27）、『巴里の屋根の下』(30)、『ル・ミリオン』（31）、『自由を我等に』(31) 、『最後の億萬長者』（34）、『沈黙は金』（47）に出演。その他の出演作に、エドモン・T・グレヴィル監督作『或る映画監督の一生』（35）など。
