1981年7月23日トゥールーズ生まれパリ育ち。母はギリシャ語を専門とする翻訳家。12歳のときに演劇をはじめ、コンセルヴァトワールとフロランの演劇学校で本格的に演技を学ぶ。舞台俳優として地歩を固め、16歳のころからTV用作品に顔を見せるようになり、18歳のとき、TVシリーズ「Un homme à la maison」の主役の座を射止め、一躍、注目される存在に。その後もTVシリーズを中心に存在感を高めて人気俳優となり、同時に「Demain nous appartient」「Quand la mer se retire」などで主役を演じて人気に拍車をかける。それに並行して、2000年のピエール=オリヴィエ・スコット監督「Le Roman de Lulu」を皮切りに映画へも積極的な出演をはかり、当初は脇役が中心だったものの、ジュリー・ガヴラスの『ぜんぶ、フィデルのせい』(06)などで次第に注目を集める。そして、10年、ベルトラン・タヴェルニエの「La Princesse de Montpensier」で主役アンジュー公に抜擢され、一躍、カンヌ映画祭に旋風を巻き起こすなど一気にスターダムへ。
その後も、アフガニスタンを舞台にした戦争ドラマ『スペシャル・フォース』(11)でダイアン・クルーガーと共演を果たし、本作『黒いスーツを着た男』のあとも、話題のコスチューム劇『アンナ・カレーニナ』(12)をはじめ、恋愛コメディ「恋のベビーカー大作戦」(12)、ジュリー・ガイエと共演した恋愛劇「After」(12)と、主演作が目白押し。
1979年7月30日フランス北部のトロワに生まれる。ふたりの姉エロディーとアンネリーズも女優として活躍中。コンセルヴァトワールでダニエル・メスギッシュとカトリーヌ・イジェルのもと演技を学び、卒業後は舞台を中心に活動。やがて、短編作品に出演するようになるが、2002年、ジェローム・ボネルの「La Chignon d'Olga」で長編劇映画デビューを飾る。だが、彼女の真の魅力が開花したのは、クリストフ・オノレの『愛のうた、パリ』(07)だった。ルイ・ガレル、リュディヴィーヌ・サニエ、グレゴワール・ルプランス=ランゲらとの共演による本作での演技により、セザール賞の有望若手女優賞にノミネートされ、続くオノレ作品『美しい人』(08)にも主演。さらに、ラウル・ルイス『ミステリーズ 運命のリスボン』(10)、アリックス・ドラポルトの「Angèle et Tony」(11)などで好演を披露。とくに後者では、念願のセザール賞有望若手女優賞にも輝いた。現在、若手の実力派女優として、舞台に映画にと活躍中。
1979年10月2日ユーゴスラヴィア(現コソヴォ)のプリシュティナに生まれる。プリシュティナ舞台芸術アカデミーに学んだのち、舞台を中心に活躍。映画には、2005年、アルバニアのクイティム・チャシュク作品「Syri magjik(Magic Eye)」に初出演したのを皮切りに、08年に同じくアルバニア映画「Smutek paní Snajdrové(The Sadness of Mrs. Snajdrova)」に出演。だが、同じ年、ダルデンヌ兄弟の『ロルナの祈り』のヒロインに抜擢されたことをきっかけに国際的な注目を集める。アルバニアからベルギーへ不法移民としてやって来た女性を演じた彼女は、このときの撮影に際し、わずか2カ月でフランス語をマスターしたという。そして11年にはジュリー・ガヴラスの「Trois fois 20 ans」に出演ののち、本作でヴェラ役を好演。今後の活躍が期待される女優。
1977年パリにほど近いイヴリ=シュル=セーヌ生まれ。父のマレク=エディーヌも、アルジェリア出身の俳優として活躍。わずか8歳で初舞台を経験し、さまざまな舞台に立つ。2008年、TVシリーズ「Engrenages」に出演したのをきっかけにテレビにも顔を見せるようになる。09年、ジャック・オディアールが『預言者』のジョルディ役に抜擢して注目を集め、さらにレア・フェネールの『愛について、ある土曜日の面会室』のステファン役で強い印象を残す。翌年には、リュディヴィーヌ・サニエ、ダイアン・クルーガーらと共演した「Pieds nus sur les limaces」でコメディにも挑戦し、そして13年にはキャスリン・ビグローのアカデミー賞ノミネート作品『ゼロ・ダーク・サーティ』にテロリスト一味のひとりとして出演を果たすなど、個性派の俳優として活躍中。
フランス生まれ。テアトル・アレフで演技の訓練を受け、さらにジャン・ペリモニが主宰するペリモニ舞台芸術学校で演技を学ぶ。ベルナール・ミュラ、ダニエル・メスギッシュといった演出家による舞台で活躍する一方、2000年にフランソワ・デュペロンの『将校たちの部屋』で映画デビューを果たす。さらに02年にはジル・マルシャンの『誰がバンビを殺したの?』、05年にはアルベール・デュポンテルの「Enfermes dehors」などに出演し、08年には青山真治監督がフランスで撮った短編『赤ずきん』にも個性的な役柄で出演。そして12年にはフレンチ・ポップス界のスター、クロード・フランソワを描いたフロラン=エミリオ・シリの話題作『最後のマイ・ウェイ』のほか大ヒット料理コメディ『シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ』で脇を固めて好演を見せた。
1956年5月18日フランス北部のドルー生まれ。幼少時にセーヌ=エ=マルヌ県に移り、そこで育つ。子どものころより文学に傾倒し、同時に映画の世界を夢見ていた。当初、女優を目指すが、IDHEC(国立映画専門学校。現FEMIS)に通う友人の影響を受け、監督を目指すようになったという。18歳のときにパリに出、パリ第3大学で学ぶ。その後、アントワーヌ・ヴィテーズが主宰する演技コースを受講して演技を学ぶが、次第に脚本に手を染めるようになり、短編作品をいくつか制作したのち、88年に最初の長編『魅了されたミニマリストの破綻』を撮る。大きな話題とはならなかったが、その後もテレビ用作品など撮り続け、98年、カリン・ヴィヤールをヒロインに迎えて撮った『ヌーヴェル・イヴ』が、新たな女性像を提示する作品として好意的に迎えられ、高い評価を得る。さらに00年の『彼女たちの時間』では、エマニュエル・ベアールを迎えて同性愛の関係を描き、カンヌ映画祭に正式招待。また、06年には、ふたたびヴィヤールを主演に迎えて女性書籍編集者とその愛人との関係を描いた「Les Ambitieux」を、さらに09年にはクリスティン・スコット・トーマスの主演で旧弊な夫のもとを離れひとりの女性として生きる姿を描いた『旅立ち』をと、これまで女性を主人公にした作品を数多く発表し、評価を高めてきた。
1982
La Mésange(短編)
1983
Ballades(短編)
1986
Nuit de Chine(短編)
1988
魅了されたミニマリストの破綻
1991
Haute tension(TVシリーズ)
1992
Interdit d'amour(TV)
1993
Les Amoureux
1995
Jeunesse sans dieu(TV)
1998
Denis(TV)
ヌーヴェル・イヴ
2000
Pas d'histoires
(オムニバス映画/挿話:Mohammed)
彼女たちの時間
2003
Mariées mais pas trop
2006
Les Ambitieux
2009
旅立ち(DVD題『熟れた本能』)
2012
黒いスーツを着た男


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