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本物の〈激しい愛〉が見たいのなら、フランス映画だという時代があった。『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』や『ポンヌフの恋人』など、愛にすべてを捧げる主人公の男女の姿が、世界中の女性たちの心をわし掴みにした。けれどもその後、社会の変化と不安が加速していき、時代は癒しを求め始める。フランス映画といえども、優しく愛らしいラブストーリーが増えていったのだ。

あれから30年、甘いだけの物語はもう十分、もっとリアルで官能的な大人が満足できる恋愛映画が観たい──そんな女性たちの声に応えて、期待の新鋭監督マイウェンが華やかに登場した。女優としても活躍し、リュック・ベッソン監督の『レオン』や『フィフス・エレメント』などに出演、監督前作の「パリ警視庁:未成年保護特別部隊」がカンヌ国際映画祭で絶賛され、審査員賞を受賞した新しい才能だ。

今、再びアムールの国フランスから、強く求め合うのにすれ違う男と女の姿を通して、恋愛の眩しい光と突き刺す影、甘い蜜と痺れる毒──そのすべてを恐れずに真正面から描いた、新たな傑作が誕生した!
スキー事故で大けがを負ったトニーは、リハビリセンターで黙々とトレーニングを続けながら、元夫のジョルジオとのハリケーンのような10年間を振り返る。トニーは弁護士で知性と教養に溢れているが、容姿やスタイルは平凡だった。一方、レストラン経営者のジョルジオは、女性を喜ばせることに天才的で、いつも美女に囲まれてパーティ三昧の派手な暮らしを送っていた。そんな二人がなぜ愛し合うことになったのか?さらに結婚した途端、理想の男のはずのジョルジオが、思いがけない素顔を見せ始める─。

ジョルジオには、『美女と野獣』『ブラック・スワン』のヴァンサン・カッセル。何もかも完璧と見せかけて、実は女やお金などあらゆる欲望にだらしないジョルジオ。次から次へと繰り出すおかしいくらいの身勝手さと、時折のぞく弱さや正直さ─今やハリウッドでも大役をはる名優が、愛さずにはいられないセクシーで魅力的なダメ男を演じきった。

トニーには、監督としても高く評価されるエマニュエル・ベルコ。第68回カンヌ国際映画祭で、『太陽のめざめ』で女性監督として史上2度目のオープニング上映を飾り話題となった。恋の喜びと愛の不安に激しく揺れながらも、自分を取り戻そうともがくトニーに全存在をかけて扮し、カンヌ国際映画祭で見事に女優賞に輝いた。

ジョルジオの突飛な言動に傷ついたトニーの逃げ場所となる弟役には、名匠フィリップ・ガレル監督の愛息子で、子供の頃から父親の監督作に出演し、近年では『SAINT LAURENT/サンローラン』の圧倒的な存在感で注目されたルイ・ガレル。彼の恋人役には、マイウェン監督の妹で、『ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー』で印象的な役割を務めたイジルド・ル・ベスコ。

パリの最先端のレストラン、ハイセンスなインテリア、色鮮やかなファッション、カジュアルだけど個性的なウェディングなど、今のパリジェンヌたちのライフスタイルも楽しめる。

愛につけられた傷は、やがて輝く生きた証に変わる──すべての女性の胸を焦がす10年間の物語。