本物の〈激しい愛〉が見たいのなら、フランス映画だという時代があった。『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』や『ポンヌフの恋人』など、愛にすべてを捧げる主人公の男女の姿が、世界中の女性たちの心をわし掴みにした。けれどもその後、社会の変化と不安が加速していき、時代は癒しを求め始める。フランス映画といえども、優しく愛らしいラブストーリーが増えていったのだ。
あれから30年、甘いだけの物語はもう十分、もっとリアルで官能的な大人が満足できる恋愛映画が観たい──そんな女性たちの声に応えて、期待の新鋭監督マイウェンが華やかに登場した。女優としても活躍し、リュック・ベッソン監督の『レオン』や『フィフス・エレメント』などに出演、監督前作の「パリ警視庁:未成年保護特別部隊」がカンヌ国際映画祭で絶賛され、審査員賞を受賞した新しい才能だ。
今、再びアムールの国フランスから、強く求め合うのにすれ違う男と女の姿を通して、恋愛の眩しい光と突き刺す影、甘い蜜と痺れる毒──そのすべてを恐れずに真正面から描いた、新たな傑作が誕生した!