カンヌから始まった熱狂のパレードが、
ヨーロッパからアメリカへ
世界各国で今最高に愛されている感動の実話!
 「大好き!」「愛さずにいられない」「愛しても愛し足りない」──まるで、待ち焦がれた運命の相手にめぐり会ったかのように、世界中の人々が英国のある映画に熱い想いを募らせている。いつもは辛口の評論家までが、メディアに寄せるのは批評というより、もはやファンレターのようだ。
ロッテントマトでも批評家94%観客93%の高い満足度を獲得、年齢や国籍に関係なく観る者すべての心を虜にしているのは、何と言っても初めて映画化が実現した知られざる実話であるということ。それも、本作のプロデューサーが最初にこの事実を耳にした時、「本当にあったことだなんて、とても信じられなかった」とその驚きを保証する物語なのだ。
 2014年のカンヌ国際映画祭クィア・パルム賞受賞を皮切りに、ヨーロッパ各国で様々な賞を贈られると共にアメリカに上陸、見事ゴールデン・グローブ賞作品賞(ミュージカル・コメディ部門)へのノミネートを果たした。2015年の賞レースでも特等席が与えられるに違いないスペシャルな作品が、遂に日本へもやって来る。
80年代イギリス、サッチャー政権下
不況と闘うウェールズの炭坑労働者に
手を差しのべたのは、ロンドンの
きらびやかなLGSMの若者たちだった──
 1984年、サッチャー政権下の荒れるイギリス。始まりは、ロンドンに住む一人の青年のシンプルなアイデアだった。炭坑労働者たちのストライキに心を動かされ、彼らとその家族を支援するために、仲間たちと募金活動を始めたのだ。しかし、全国炭坑組合に何度電話しても、寄付の申し出は無視される。理由は一つ、彼らがゲイだから。炭坑組合にとって、彼らは別世界の住人でしかないのだ。そこへ、勘違いから始まって唯一受け入れてくれる炭坑が現れる! 寄付金のお礼にと招待された彼らは、ミニバスに乗ってウェールズ奥地の炭坑町へと繰り出すのだが──。
 『リトル・ダンサー』『ブラス!』など、イギリスの炭坑を舞台にした映画には名作が揃っている。本作も炭坑産業の苦境と闘う人々をユーモアに満ちた温かな視線で描くというスタンスは同じだが、決定的に違うのは現代社会に通じる深いテーマがあること。質実剛健な片田舎の肉体労働者と、ハデなファッションの同性愛者──誰から見ても水と油、両極端の境遇の二つのグループが、手を取り合って未来を切り開く姿が描かれる。彼らは誤解や衝突を乗り越え、固い絆を結び、新たな人生を掴み取っていく。この稀有なる実話は、人と人のリアルな繋がりが希薄になり、誰もが孤独を抱えて生きている今の時代でも、他人を思いやる誠実なアイデアと、ほんの少しの勇気があれば、素晴らしい人生を見つけられるという希望を私たちに与えてくれるのだ。
80年代の大ヒットナンバーにのせて
トニー賞受賞監督が鮮やかに指揮をとる
英国の名優と次世代スターによる
胸躍るコラボレーション
 炭坑労働者を支援したLGSMグループのリーダーを演じるのは、アメリカ人ながら圧倒的なカリスマ性を表現できると大抜擢されたベン・シュネッツァー。本作でブリティッシュ・インディペンデント・フィルム・アワードにノミネートされ、今後が注目される。グループのメンバーには、大ヒットTVシリーズ「SHERLOCK/シャーロック」のモリアーティ役で高い人気を誇るアンドリュー・スコット、『サンシャイン/歌声が響く街』で絶賛されたジョージ・マッケイらが扮した。
 ウェールズの人々を演じるのは、『ラブ・アクチュアリー』『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』のビル・ナイ、『ヴェラ・ドレイク』『ハリー・ポッター』シリーズのイメルダ・スタウントン。英国を代表する二人の名優の奥深い演技が、若手俳優たちのパワーをさらに引き出し、痛快な笑いと胸を突く涙を呼び起こす。  監督は、「ゴッド・オブ・カーネジ」でトニー賞&英オリビエ賞を受賞したマシュー・ウォーチャス。80年代のロンドンの街並みやファッションが再現され、カルチャー・クラブ、ザ・スミス、ブロンスキ・ビートなど、当時の名曲が全編をエネルギッシュに盛り上げる。さらに炭坑の町としてウェールズでロケを敢行、城跡が残る雄大な美しい景色を存分にとらえた。
 ゲイの権利を訴えるパレードで幕を開けた物語。かけがえのない出会いと共闘を経た1年後、またその季節がやって来た。今度はスクリーンの前のあなたも、拳を力いっぱい振り上げずにはいられない、生涯心に刻まれるパレードへ、ようこそ──。