1943年10月22日パリにて生まれる。'56年、アンドレ・ユヌベル監督の“Les Collégiennes”の小さな役でデビュー。ロジェ・ヴァディムの『悪徳の栄え』(1963)、そしてジャック・ドゥミの『シェルブールの雨傘』に主演し、人気を不動のものにする。『ロシュフォールの恋人たち』(1967)、『ロバと王女』(1970)といったドゥミ作品のほか、『暗くなるまでこの恋を』(1968)、『終電車』(1970)などフランソワ・トリュフォー作品であふれるばかりの魅力を放ち、『昼顔』(1967)、『哀しみのトリスターナ』(1970)などルイス・ブニュエル作品で強烈な印象を残す。さらに、アンドレ・テシネ『海辺のホテルにて』(1981)、『夜の子供たち』(1996)、レオス・カラックス『ポーラX』(1999)、アルノー・デプレシャン『キングス&クイーン』(2004)など、フランス映画の文字どおりの顔として活躍。ベルコ作品には、'13年の「ミス・ブルターニュの恋」に続いての出演となる。

1996年4月4日フランス・パリにほど近いサン=ドゥニ生まれ。地域内スタンにあるリセの職業訓練過程に在学中、本作のオーディションを受け、主役デビューを飾る。本作が2015年のカンヌ映画祭のオープニング作品でもあったため、彼の登場はセンセーションをもって受け止められ、その後、セザール賞の有望男優賞をはじめ、リュミエール賞の有望若手男優賞も受賞。父親は配管工、母親は公務員という、どこにでもあるような家庭に生まれ、たまたま授業の休み時間に本作のキャスティング担当の目に留まり、オーディションに参加、役を射止めたという強運のもち主でもある。すでにグザヴィエ・ボーヴォワの新作への出演も決定し、今後の活躍が楽しみな新星。

1974年5月11日パリ生まれ。14歳のとき、エチエンヌ・シャティリエーズの『人生は長く静かな河』(1988)でデビューする。16歳のときに俳優の道に進むべく決意。ブノワ・ジャコの『シングル・ガール』(1995)、アンドレ・テシネの『夜の子供たち』(1996)、ディアーヌ・キュリスの『年下のひと』(1999)と出演を重ね、『夜の子供たち』では若手男優を対象にしたミシェル・シモン賞を受賞。さらに2001年、ミヒャエル・ハネケの『ピアニスト』で年上の女の倒錯した愛に戸惑う青年を演じてカンヌ映画祭の男優賞を受賞。その後も、クロード・シャブロル作品『悪の華』(2003)、『石の微笑』(2004)、『引き裂かれた女』(2007)をはじめ、フレデリック・ションデフェールのノワール映画『裏切りの闇で眠れ』(2007)やフロラン・エミリオ=シリの大ヒット作『最後のマイ・ウェイ』(2012)など、幅広い作品に出演。初のベルコ作品となる本作で、セザール賞の最優秀助演男優賞を受賞。

1986年10月4日フランス生まれ。13歳のとき、女友だちに付き添ってオーディションに参加したのをきっかけに女優になることを決意し、2001年、マルティーヌ・デュゴウソンの“Les Fantômes de Louba”の端役で映画デビュー。アブデラティフ・ケシシュの「身をかわして」(2004)で主役のひとりであるリディア役を射止め、シュザンヌ・ビアケッティ賞を受賞し、セザール賞の有望女優賞も獲得する。さらに翌年には、ブリュノ・シシュの「HELL−私の名はヘル」で享楽的な青春像を演じてこれも話題に。その後も、アラン・レネの『風にそよぐ草』(2009)、ミシェル・ルクレルクの「戦争より愛のカンケイ」(2010)、カテル・キレヴェレの「スザンヌ」(2013)などで印象的な演技を残し、「戦争より愛のカンケイ」ではセザール賞の最優秀女優賞を受賞。また、3本の短編映画のほか、2015年には初めての長編劇映画にも挑戦と、フランス映画界最注目の若手女優。

女優としてデビューする前は、造形美術を学ぶ学生だったという。ラリー・クラーク監督がフランスで撮った“Smell of us”(2014)に出演したのを皮切りに、女優として活躍するようになる。“Smell of us”に出演するまで演技経験はなく、かなりきつい現場だったとのちに語っているが、本作では主人公マロニーの恋人役テスとして、少年のような身体を生かして好演。さらにフィリップ・ラモの“Fou d'amour”(2015)ではメルヴィル・プポーと共演と、矢継ぎ早に出演作が決まり、赤丸急上昇中の新進女優。本作でセザール賞有望女優賞にノミネート。そして“Fou d'amour”では、ジャン・カルネ映画祭において助演女優賞を獲得している。

1965年6月14日カンヌ生まれ。両親はブルガリアからの移民で、彼女が生まれる直前に政治亡命してきたという。そのため、家庭内での会話はすべてブルガリア語だったそう。10歳のときに初舞台を踏み、十代の頃は演劇と詩作に傾倒していた。地元カンヌのリセを卒業後、パリに出て本格的に演技を学ぶ。さらに、25歳のときに初めて書いた戯曲を自ら演じるなど、主に演劇の世界で活躍。また、その一方、カンヌの演劇学校やフロランの演劇学校などで教鞭をとり、同時にいくつもの戯曲を発表し、演出にもあたっている。映画には、オリヴィエ・アサイヤスの「8月の終わり、9月の初め」(1998)、「5月の後」(2012)のほか、ダンテ・ドサルトの“Je fais feu de tout bois”(2012)などに出演。