1967年11月6日パリにて生まれる。当初はダンスを学び、ついでフロランの演劇学校で演技を、そして最後にFEMIS(フランス国立映像音響芸術学院)で演出を学んだ。在学中に制作した短編“Les Vacances”(1997)は、カンヌ映画祭で審査員賞を受賞し、卒業制作となる中編「少女」(1999)は、一躍、ベルコの名を世界に知らしめることとなった。また、同時に女優としても活動を開始し、クロード・ミレールの『ニコラ』(1998)、ベルトラン・タヴェルニエの『今日から始まる』(1999)と続けざまに出演して好演を見せ、女優としても非凡な才能を示す。2001年、自ら主演した劇場用長編第1作『なぜ彼女は愛しすぎたのか』で、少年と30歳の女性の恋愛を描いてカンヌ映画祭のある視点部門に招待され、衝撃を巻き起こす。続く“Backstage”(2005)は、人気歌手と彼女を神聖視するファンの少女との関係を描き、テサロニキ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞。'13年にはカトリーヌ・ドヌーヴをヒロインに迎えて「ミス・ブルターニュの恋」を撮り話題に。そして本作で'15年のカンヌ映画祭のオープニングを、女性監督としては28年ぶりに飾るという快挙を成し遂げた。マイウェン作品の常連女優でもあり、'15年の「Mon roi/モン・ロワ(原題)」(※2017年春日本公開予定)ではカンヌ映画祭の女優賞を、『キャロル』のルーニー・マーラとともに受賞している。
1991年
Ragazzi(出演)
1995年
État des lieux(出演)
True Romanès(監督/短編)
1996年
La Divine Poursuite(出演)
1997年
ヴァカンス [Les Vacances](監督/短編/特別上映)
1998年
少女 [La Puce](監督/中編/シネクラブ上映)
Le Choix d'Élodie(監督/TV用作品)
ニコラ(出演)
1999年
今日から始まる(出演)
Une pour toutes(出演)
2001年
なぜ彼女は愛しすぎたのか [Clément](監督・出演)
2003年
À tout de suite(出演)
Quelqu'un vous aime...(監督/短編)
2004年
À poil !(監督/短編)
Backstage(監督)
2005年
17歳の夏 [Camping sauvage](出演/DVD発売)
2007年
Enfances(出演)
2009年
Tirez sur le caviste(監督/TV用作品)
ザ・レイプ 欲望の報酬 [Mes chères études](監督/DVD発売)
2010年
カルロス(出演) 
2011年
パリ警視庁:未成年保護部隊(出演/WOWOWにて放映)
2012年
プレイヤー [Les Infidèles](監督/挿話「質問」)
2013年
ミス・ブルターニュの恋 [Elle s'en va](監督/WOWOWにて放映)
Rue Mandar(出演)
ターニング・タイド 希望の海(出演)
2015年
太陽のめざめ [La Tête haute](監督)
モン・ロワ(原題) [Mon roi](出演)
2016年
La Flle de Brest(監督/予定)

1971年、アルゼンチンに生まれる。幼少の頃に一家にしてパリに移住し、パリ第8大学で映画を学んだのちFEMIS(フランス国立映像音響芸術学院)に入り、脚本を学ぶ。卒業後はグザヴィエ・ジャノリとエマニュエル・ブルデュー作品の共同脚本家としてめざましい活躍を見せる一方、フランソワ・オゾン、レベッカ・ズロトウスキらの脚本に協力。主な作品に、フランソワ・オゾンの『まぼろし』(2001)、レベッカ・ズロトウスキの『美しい棘』(2010)、グザヴィエ・ジャノリの『偉大なるマルグリット』(2015)など。
『アーティスト』(2011)のみごとなモノクロ映像でつとに知られる。イヴ・ロベールの『プロヴァンス物語/マルセルの夏』(1990)はじめ、クロード・ミレールの『オディールの夏』(1994)、『ニコラ』(1998)、ミシェル・アザナヴィシウスの「OSS 117 私を愛したカフェオーレ」(2006)、レジス・ロワンサールの『タイピスト!』(2012)などの撮影を担当。ベルコとは『プレイヤー』(2012)で組んで以来、「ミス・ブルターニュの恋」(2013)でも協働。なお、俳優・歌手として活躍中のネモ・シフマンは、ベルコとのあいだにできた息子。
一貫してベルコ作品の編集者として協働。FEMIS(フランス国立映像音響芸術学院)で編集を学び、在学中には短編“Sous influence”(1998)を制作。2001年の自身の短編作品“Des anges”でクレルモンフェランの短編映画祭でグランプリを受賞。主な編集担当作品に、ベルコの中編「少女」(1998)はじめ、『なぜ彼女は愛しすぎたのか』(2001)、“Backstage”(2005)、「ミス・ブルターニュの恋」(2013)ほか、ジェラルディーヌ・マイエの「男と女 真夜中のパリ」(2012)など。
1998年のローラン・アシャール監督作品“Plus qu'hier, moins que demain”で美術を担当したのを皮切りに映画の世界へ。ベルコとは2001年の『なぜ彼女は愛しすぎたのか』以来、協力関係にあり、“Backstage”(2005)、「ザ・レイプ 欲望の報酬」(2010)、「ミス・ブルターニュの恋」(2013)と手腕を発揮。そのほか、パトリシア・マズイの“Sport de filles”(2011)、アダ・ルエイユの“Papa Lumière”(2013)などで活躍。
1997年より衣装を手がけるようになり、フランソワ・オゾンをはじめとする現代劇の衣装を数多く手がける。とりわけ、オゾンとは'98年の『クリミナル・ラヴァーズ』以降、『8人の女たち』(2002)、『スイミング・プール』(2003)、そして『彼は秘密の女ともだち』(2014)まで組んでおり、カトリーヌ・ドヌーヴからの信頼も厚い。ベルコとは「ミス・ブルターニュの恋」(2013)に続いてのコラボとなる。'12年の『ルノワール 陽だまりの裸婦』でセザール賞の衣装を賞を受賞。