カトリーヌ・ドヌーヴ、待望の主演作日本公開!女性監督として史上2度目の快挙!カンヌ国際映画祭オープニング作品
フランスの大女優から全世界の女性の憧れの存在へ──偉大なキャリアの円熟期にふさわしい感動のヒューマンドラマ
彼女を見ていると、年を重ねることが楽しみになる──世界中の女性にそんな勇気と喜びを与えてくれる大女優、カトリーヌ・ドヌーヴ。今も愛される名作『シェルブールの雨傘』から半世紀にわたって第一線で活躍し、淑女から悪女までどんな難役も魅惑的に演じてきた。大スターとなってからも、才気あふれる若手監督の作品に積極的に参加。その映画への深い愛に敬意を表して、2008年にはカンヌ国際映画祭から特別賞が捧げられた。奇跡の美貌は姿かたちの美しさから、内面からも輝く存在の美しさへと昇華し、今では彼女の生き方そのものが、国境や世代を超えたすべての女性たちの永遠の憧れとなっている。
そんなドヌーヴが、次はどんな作品を選ぶのかと全世界が注目するなか、女性判事と指導員の誠実で力強い愛によって、学校からも社会からも脱落した少年が遂に自分の人生を見出すまでを描く、まさに名優の偉大なキャリアの円熟期にふさわしい感動のヒューマンドラマが完成した。
監督・脚本を務めるのは、ドヌーヴが「素晴らしい才能。彼女の書く脚本は1行たりとも直す必要がない」と称えるエマニュエル・ベルコ。本作は2015年の第68回カンヌ国際映画祭でオープニング作品に選ばれたのだが、女性監督の作品がカンヌの開幕を飾るのは、28年ぶり史上2度目の快挙となった。
主演映画の日本公開は『しあわせの雨傘』以来6年ぶりとなる、ドヌーヴ会心の最新作が、いよいよ登場する。
愛とは手を差しのべ続けること──女性判事と指導員によって、心に傷を抱えた少年が愛と出会うまでの物語
フローランス判事が初めてマロニーと出会ったのは、彼が6歳の時だった。若さのあまり育児より自分の楽しみを優先してしまう母親に置き去りにされたマロニーを保護したのだ。10年後、成長したマロニーは学校へも通わず、荒れた生活を送っていた。判事は無免許運転で補導された彼を再び担当することになり、自身もかつては不良少年だったヤンを教育係に任命し、マロニーが自分の人生を見つけられるよう温かな手を差しのべる。田舎の更生施設で指導員に支えられ、同年代の少女テスと恋におち、少しずつ変わっていくマロニー。しかし、施設を出たマロニーを数々の試練が待ち受ける。再び爆発しそうになるマロニーを救うために、判事が選んだ道とは──?
無償の愛と決してあきらめない心で、道をはずれた子どもたちを救おうと奮闘するフローランス判事を演じるのが、カトリーヌ・ドヌーヴ。物語を貫く精神は、フローランス判事がどんなに厳しい言葉を発する時でも、その瞳の奥に宿す「生まれつきの悪人などいない」という美しくも気高い信念。監督とドヌーヴが作品にこめたその想いが、マロニーだけでなく複雑な現代社会に疲れた私たちの心をも、母のように優しく、父のように力強く抱きしめてくれるのだ。
新人賞を総なめにした未来のスターの出現にヨーロッパが騒然!フランスの演技派俳優たちとの豪華競演
マロニーには、今この瞬間もヨーロッパを中心にセンセーションを巻き起こしているロッド・パラド。専門学校に通っていたところをスカウトされたという、これが初めての演技とは信じ難い驚きの逸材だ。躾と教育を与えられずに育った少年が、ただ愛と安心が欲しいだけなのに、その飢餓感を満たす術もわからず暴走していく姿を、危うくかつ繊細に演じきった。端正な顔立ち、忘れられない瞳と強烈な存在感から、アラン・ドロンやリヴァー・フェニックスの再来と騒がれ、フランス国内で最も権威のあるリュミエール賞とセザール賞で有望男優賞を獲得した。さらに一流メディアも、「まるで『スタンド・バイ・ミー』のリヴァー・フェニックスのようだ!」「天使のごとき容貌」「フランス映画界の未来の星」と最大級の賛辞を贈っている。
教育係のヤンには、『ピアニスト』のブノワ・マジメル。自らもどん底に堕ちた経験から何とかマロニーを助けようとするが、伝わらない想いに苦悩するヤンをリアルに演じ、セザール賞助演男優賞に輝いた。ようやく心を開いたマロニーから、この世で一番シンプルな愛の言葉を贈られるシーンには涙せずにはいられない。
その他、マロニーの母親役に『ゲンスブールと女たち』のサラ・フォレスティエ、恋人のテスにラリー・クラーク監督の新作にも出演したディアーヌ・ルーセルなど、期待の若手実力派女優が顔をそろえた。登場人物たちの心情の変化を表す眼差しや仕種まで丹念に捉えた撮影は『アーティスト』でアカデミー賞®にノミネートされたギヨーム・シフマン、衣装は『8人の女たち』でドヌーヴと組んだパスカリーヌ・シャヴァンヌ。
マロニーの人生が、この先どうなるかは誰にもわからない。それでも、どんな境遇でも、生まれてきたすべての命に祝福を──そんな崇高な愛に満ちた感動作を、今この時代を共に生きるすべての人に──。